2007年読了リスト141-152

 引っ越しでも本は読み続けましたよ。


 141。石田千の書くものは、現実なのかそれとも幻想なのか、あわあわとしていてつかみどころがなくてよくわからない。それが不安になるようなものではないのだけれど、読めるときと読めないときがあるなあ。

部屋にて

部屋にて


 142。好きな写真家は何人かいるけれど、いちばん好きな写真家が川内倫子だということには、ずっと変わりがない。淡い光の中で被写体をしっかりとらえている写真がすごく好き。好きな人の日常を覗き見ることができるのは、ちょっと嬉しい。

りんこ日記〈2〉

りんこ日記〈2〉


 143。沢田研二という人がどれだけすごい人気を誇っていたのか、私はまったく知らないし、とりたてて興味もない。けれど、それが誰であろうとも、ある一個人にとってアイドルと言える人の存在は、確実にその人を救うのだろうと思う。

あなたがパラダイス

あなたがパラダイス


 144。島本理生はうまくなったなあ、と思う。いちばん最初に読んだときと印象がまったく違っている。これからも確実にいい作品を書いていってほしいな。何回も候補になっているけれど、そのうち芥川賞を取るだろうと思う。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。


 145。大崎善生の小説をはじめて読んだ。けれど、ノンフィクションよりパワーが弱かったなあ、という印象は否めない。おもしろくないわけではないのだけれど。もう何冊か読んでみよう。

パイロットフィッシュ (文芸シリーズ)

パイロットフィッシュ (文芸シリーズ)


 146。舘野泉というピアニストは、名前とその病気しか知らなかった。音を聞いたことは、まだない。けれど、この人は文章も思った以上にいいのだ。左手だけでピアノを弾く希有なピアニスト。そこまでしても、ピアノから離れられない、根っからのピアニストなのだろう。音とピアノに愛されているのだろうな。

ひまわりの海

ひまわりの海


 147。テレビドラマにもなったこの本。私はドラマもまったく見ていないけれど、一気に読んでしまった。秦建日子、とはおもしろい名前だけれど男性なのね。文章の感じは中島たい子にすこし似ているような気がする。一ヶ所、どう考えてもこれは誤植だろう! という間違いがあって興ざめしたけれど。

ラストプレゼント

ラストプレゼント


 148。知り合いでも友達でもないのに、おせいさん、と呼びたくなる田辺聖子さん。ちょうどこの日記はカモカのおっちゃんが亡くなるところで、それでも感情に流されずに日々をきちんと過ごしながら淡々と文章を綴っているのが、かえって切なさを誘う。久しぶりにまた読んでみようかな、おせいさんの本。

残花亭日暦

残花亭日暦


 149。今度の家が思いっきり和なつくりになっていることもあり、この歳になってやっと和のよさがわかってきたこともあり、こういう本が気になる。すべてを買えるわけではないけれど、自分が気に入ったものは、多少値段が張ってもすこしずつそろえていきたいな。そしてそれが技術を残していく手助けになれば、もっと嬉しい。


 150。ル・クルーゼを買ってもらったときに一緒に買ったレシピ本は、この人のものだった。そしてそれがどれもおいしくできるので、平野さんのレシピには信頼を置いている。文章もなかなか魅力的。装丁も、クルーゼがいろいろなところに出てきたり本文のインクが違うところがあったりして、とてもいい作りになっていると思う。版元がとても意外。

料理研究家のつくりかた

料理研究家のつくりかた


 151。マクロビオティックは興味があるくせに、やっぱり徹底して生活を変えることがなかなか難しく、結局ずるずるといままでの食生活を抜け出せないでいる感じ。肉をやめるのはそれほどつらくないけれど、やっぱり私にとって粉ものと甘いものをやめるのはかなり難しい。それでも玄米だけは続けているのが、私にとっては「昨日よりまし」なのかもしれない。

マクロビオティック、はじめました

マクロビオティック、はじめました


 152。綿矢りさの作品はかなり久しぶりに読んだ。『インストール』や『蹴りたい背中』のときより、格段に文章が大人っぽくなっているしうまくなっていると思う。ひとりの人間が子供から大人になっていく過程で経験することは本当にたくさんあって、それで道を踏み外したり間違えてしまうこともたくさんあるけれど、自分の人生を生きるということはいちばん大切なのだ。

夢を与える

夢を与える