2007年読了リスト187-189

 187。妹とべったり生活していた麻子が、自分の足で立っていく様子を描いた本。宮下奈都の書いたものを読むのははじめてだったのだけれど、わりと好感が持てる。私も女ばっかり3姉妹の長女で、麻子と同じ立場にある。私も、今はもうそれを笑って話せるまでになったけれど、妹たちには少なからずコンプレックスがあった。でも、結局自分の生き方は妹たちとは比べられないし、比べるものでもない。自分の好きな仕事に巡り合って生き生きしている麻子が魅力的だった。

スコーレNo.4

スコーレNo.4


 188。うーん、この本に出てくる短編の主人公の気持ち、女性だったらみんなわかるんじゃないかなあ。こういう人、絶対にいるもん。それが自分自身だったり、自分のよく知っている人に見えたりする。奥田英朗の本はこのあいだ読んだ『マドンナ』とこれしかまだ読んでいないけれど、人を観察する目が鋭い人だなあと思わずにはいられない。おもしろかったので、今日図書館で『イン・ザ・プール』もリクエストしてきた。

ガール

ガール


 189。よく本読むね、と言われることもあるけれど、私からすれば、どうして読まないでいられようか、という感じ。半ば息をするように、水を飲むように、ごはんを食べるように私は本を読む。テレビがなくてもそれほど困らないけれど、本がなければおかしくなる。そして、ほかの人がどんな本を読んでいるのかについてもとても興味がある。それが好きな作家ならなおさらのこと。小川洋子さんがクラフト・エヴィング商會を好きなのも、柴田元幸先生の翻訳本を好きなのも、とても腑に落ちる。私が好きな作家と、その好きな作家の好きな作家がだぶるのはとても嬉しい発見だ。

博士の本棚

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