2008年読了リスト046-050

 046。角田さんの小説は白いものと黒いものがあって、黒いほうの角田さんはなかなか馴染めないのだけれど、エッセイにはすっと入り込むことができる。当たり前なのだけれど、角田さんも普通の人なんだな、と思う。以前情熱大陸に出たときは、オーラのない人、みたいに言われていたけれど、オーラがないのではなくてオーラを消せる人なのだと思う。そうじゃないと、こんなに普通の生活を営めない。

 047。恩田陸本屋大賞をとっている作家なのに、たぶん2作くらいしか読んだことがない。そしてあんまり覚えていない(…)。このエッセイ集を読むと、あんなにたくさん本を出しているのにご本人もすごい勢いで本を読んでいるということがよくわかる。ミステリというものに私はどうも手が伸びないけれど、恩田陸は読んでみようかな、と思う。本文中におそらく私の高校だろうという記述が出てきて、おっ、と思った。

小説以外

小説以外

 048。昨年この映画を観た。原作と映画がぜんぜん違うものもあるけれど、これはほぼ原作そのままで、それがなんだか嬉しかった。もっとも、先に映画を観てしまったから、原作は映画のキャスティングが動いているみたいに読んだ。唯一違ったのが、映画では妻夫木くんがやったコモノ。松尾スズキのお芝居は見たことがないけど、きっとおもしろい脚本を書くんだろうなあと思う。

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ

 049。高橋みどりさんは好きなスタイリストだ。ボーダーにカーキのパンツ、めがねにベリーショート、というのがすごくらしく感じられる。私の好きな人ともリンクしている(高山なおみさんとか)。親しくしている料理研究家のひとたちに、とっておきの1品を教えてもらっているこの本、私はとても好きだ。同じく高橋みどりさんの『伝言レシピ』も、ごはんづくりに活用している。

おいしいヒミツ

おいしいヒミツ

 
 050。サクリファイスとは、犠牲の意味。主人公の誓が、自らの勝利を捨ててアシストに徹するさまをただ単にサクリファイスとしているのかと思っていたけれど、あとの方まで読み進めると、予想もしていなかったサクリファイスが出てくる。自分の行く末を絶たれてしまった恨みと憎しみは、そんなにも深くて強いものなのだろうか。そして、それをあんな形で晴らそうとして晴れるものなのだろうか。どうもすっきりするようなしないような。けれど、自転車というスポーツはすごくおもしろそうだなと思う。
サクリファイス

サクリファイス