つらつらと思うこと

 漫画家の羽海野チカさんの、昨年の12月の日記の中にこんな文章がある。

私は、子供の頃から
そして大人になっても、まだ
なんでだか「楽しい事、したい事 を好きなようにはしてはいけない」という
不思議な呪いのようなモノがかかっていて
これに長年苦しめられておりまして
(この呪いがいつかかったのか、誰にかけられたのかわからないんですが)

でも、最近、こんな年をとってから
(とった甲斐あって…ですね)
やっと『好きな事』をしてもいいのかも。と思えるようになってきて
ちょっとうれしいです

 うーん、この呪い、私にもかかってるかも、と思う。どう考えてもやればいいのに、といういい条件ばっかりそろっていたり、自分でもやりたいと思っていたりするのに、なぜか自覚なしに自分でブレーキをかけている。この「自覚なしに」というところが問題なわけで、たぶんもうそれは小さいときからの刷り込みというか、くせというか、そんな感じがする。
 私には2人妹がいるのだけれど、すぐ下の妹とは1歳、学年で2年しか離れていなくて、とにかく妹は手のかかる子だった。1歳になる前に入院・手術したこともあるし、そうでなくても物理的に妹のほうが小さいから、母はずっと妹にかかりっきりだった。ときどきおもちゃ売り場やなんかで、地面に寝っころがって「あれ欲しいー買ってー買ってー」って駄々をこねている子どもがいるけど、妹がそうしていた一方で、私はそんなこと恥ずかしくてできなかった。とにかくいつも人の顔色をうかがって、なんとかしていい子でいようとしていた。ヒネた子どもだったなあと思うけれど、結局それを今でも引きずっている。私は反抗期というものが一切なかったのだけれど、それは妹の反抗期を間近で見て、「私までこんなことしちゃいけない」って抑え込んでいたからなのかなあと思う。いちばん下の妹の反抗期もとてもひどくて、母に「あんたは反抗期がなかったから楽だったわー」って言われるけど、そう言われると口ごもってしまう。
 たぶん、こんなふうに自分の気持ちを抑えるようになってしまった決定的な原因は、私が学校に行かなくなったことにあるのだと思う。以前から読んでくださっている方は知っているかもしれないけれど、私は義務教育の半分以上、学校に行っていない。学校に行けなくなってしまったことに対して、当時の私はとてつもなく罪悪感を持っていて、これ以上親に迷惑をかけちゃいけない、と幼心に思ったのだった。いい子でいなきゃ、と思うようになったのもたぶんその時期と一致する。
 でも、もう私は大人になったんだ。やりたいことはやったらいいし、やりたくないことを我慢してまでやらなくちゃいけない時期は過ぎたんだ。もう自分を縛り付けるのはやめたい。この呪いは自分で解いていかなくちゃ。大きい課題。
 うわー、こんなに長々と語ると恥ずかしい。消えます。さよなら!