山形弦楽四重奏団定期演奏会

 31日に、山形弦楽四重奏団定期演奏会に行ってきた。それまではちっとも降らなかった雪が、よりによってその当日にどかんと降り、これじゃあ集客にも差し支えるかもね、なんていらない心配をしながら会場に向かう。私たちが着いたのは開場してわりとすぐで、あんまりお客さんが入っていなかったけれど、プレコンサートが終わったあたりでぐるりと見渡してみると、大雪にもかかわらずけっこうな入り。最初はハイドンの「蛙」。ハイドンらしい、華やかで軽やかな曲。ついついメロディーラインばかり聴きがちだけれど、4人しかいないからこそはっきり聴こえるビオラやチェロの音がすごく心地いい。そのあと、弦楽四重奏のための4つの日本民謡第1番「さんさ時雨・ソーラン節・五木の子守唄・茶切節」、弦楽四重奏のための最上川舟唄(山形弦楽四重奏団委嘱作品/日本初演)と続く。弦楽器で日本の民謡? と、聴くまではあまりぴんと来なかったのだけれど、これがすごくよかった。楽器が変わるだけで曲までぜんぜん違うイメージになる。ソーラン節なんてすごくかっこよかった。最上川舟唄は、私は山形県民のくせにまったく知らないのだけれど、夫は小学校の学芸会でうたったことがあるらしく、とても楽しんで聴いたみたい。メインはベートーヴェンのラズモフスキー第3番。ラズモフスキーはいちど生で聴いてみたかったので嬉しかった。体力的にも精神的にもしんどい曲だろうなあ、と思うけれど、とてもよかった。たった4人であんなにいろいろな音色を奏でられるなんて、楽器ってすごいなあ。音の厚みがすばらしい。どーんとした大きい編成のオーケストラもいいけれど、室内楽もいいね。これからもっといろんな室内楽の曲を聴いてみたい。アンコールにハイドンの「鳥」を聴いて、大満足で帰宅。次回の演奏会も楽しみだ。