手術前後のできごと

 さらにたたみます。
 前日の23日に入院。入院したのは脳外科で、でも入院した病院は科で病棟を分けているわけではないようで、入院当日に同室だったのは整形2人、脳外1人。みんな70代だそう。とにかくうるさいおばちゃんたちで、もう勘弁してー! って叫びたくなること多々。同じことを何回も繰り返して言うし(抜糸をしないで退院させるということがとにかく納得できなかったらしい)、テレビはイヤホンなしで大音量で見るし、大部屋って大変だ、と思うことしきり。肺機能と心電図のほかは検査はまったくなし。
 24日の手術当日は0:00から絶飲食。この日の絶飲食は別につらくなかった。手術は午後になって呼ばれてから、と言われていたので手術着に着替えて待つ。朝から左腕に点滴。ずっとWBCの決勝を観ていたのに、9回表で呼ばれる。ストレッチャーに乗せられて手術室に行くのかと思っていたら、行くときは歩いて。夫に「WBCどっちが勝つかちゃんと観ててね」と言う。夫と母、妹1は家族待合室で待機、私はさらに歩いて手術室の中に入る。入ってから、じゃあここに寝てねー、と言われてそのあとは寝て運ばれる。麻酔科の先生に、「麻酔は今から2種類入れます。最初は弱い麻酔で、そのあとちょっと強い薬を入れますよー」と言われ、その「強い薬」が入った次の瞬間、体がふわっと浮くような感じがして、そのまま記憶がない。次に目が覚めたのは終わったあとで、看護師さんが「日本勝ったよ」と教えてくれる。そのまままた眠ったり起きたりしていた。酸素マスクがすごく邪魔。とにかく喉が渇いて水を飲みたかった。水を飲みたい、とはたしかに言ったけれど、妹1にあとで聞いたら何回も何回も数分おきに「水飲みたい」と言っていたらしく、「おかしくておかしくてすごく笑った。たぶん一生忘れないと思う」と言われた。術後の痛みがすごく心配だったけれど、別に何も感じない。準夜勤の看護師さんに、「本当に痛くないですか? 痛みに強いんだねってほかの看護師と話してたんですけど、痛かったら遠慮しないで言ってくださいね」と言われる。ここでも水を飲みたい、と訴えて、口内をガーゼで湿らせてもらう。時間を聞いたら24時。このあたりから眠れなくなって、次に26時半に見回りにきた別の看護師さんに頼んでラジオを持ってきてもらう。ここからひたすらラジオを聞いて過ごす。ヘルニアの痛みもまったくなし。
 明けて25日。ドレーンを抜いてもらってすこし楽になる。相変わらず絶飲食中なので、またガーゼで口を湿らせてもらう。朝、夫が出勤前に寄ってくれる。手術後は個室に入っていたのでテレビを音を出して見てもよかったのだけれど、めがねを大部屋に起きっぱなしだったので頼んで持ってきてもらう。午前中にCTとレントゲンの検査。そのまま大部屋に戻る。昼食前に尿のカテーテルも頼んで抜いてもらい、お昼から飲食解禁。水を飲めるのがとても幸せ。歩いてトイレに行ったら、看護師さんにすごく驚かれる(通常は手術翌日くらいまではずっと寝ているらしい)。歩くのはまだゆっくりで、ちょっと前かがみになる。午後はベッドに起き上がったり仰向けで寝たり。今までは仰向けで寝られなかったので、寝られることだけですごくうれしい。
 手術に対する恐怖心より、術後の痛みに対する恐怖心でいっぱいだったのだけれど、術後の痛みもぜんぜんなかったし、思ったよりなんともなかった。いいタイミングで手術できてよかった。痛みがないって幸せだー。