2007年読了リスト195-200

 相変わらず読む読む読む。


 195。ズームーと年上の恋人との間で揺れてばかりいる、30代独身の私(アームー)の話。なんだか設定があまりにも著者自身に似ていて(結婚していないというくだりは別にして)、これは私小説なのか、と思ってしまったほど。まあ、少なからずその面はあるのだろうけれど、ここはわかるような気がする、と思ってしまうのも事実。

ズームーデイズ

ズームーデイズ


 196。伊良部総合病院を訪れ、不幸にも伊良部の患者となってしまった人たち。それぞれに症状は深刻で、本人は真剣に悩んでいるのだけれど、伊良部にかかればそんなの屁のカッパ、とでも言いたくなってしまうような。これを狙ってやっているのだとしたら伊良部はすごい精神科医だけれど、これ、たぶん素でやってるよねえ、と言いたくなってしまう。私だったらこんな医者には絶対にかかりたくないけれど、こんな医者がいたらおもしろいだろうなあ、とも思ってしまう。今の日本の医者養成課程では絶対にないだろうけど、さ。

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール


 197。帯に「マタニティ小説」と書いてあったのにびっくりして、えええ、もしや角田さん妊娠したのか出産したのか! と勢い込んで読んだら、そもそもこの小説を書くきっかけになったのが、赤ちゃんが生まれそうなのに予定日を過ぎても生まれない、という小さな小説を書いたら、私みたいな早とちりの編集者さんから「ご出産されたのならそれをもとにエッセイを書きませんか」と言われたことなのだそうだ。私は残念ながらまだ妊娠も出産もしたことはないけれど、妊婦になったからと言って日々がそう劇的に変わるわけじゃないんだよな、たぶん、と思う。ただそれが、自分ひとりの体なのか、ちょっと居場所を貸しているだけなのか、の違いで。

予定日はジミー・ペイジ

予定日はジミー・ペイジ


 198。そして角田さんつづき。まず手に取って、装丁に、おっ、と思ったら、やっぱりクラフト・エヴィング商會だった。この人たちの装丁は、私には必ずぐっと来る。短編集なのだけれど、私は表題作がいちばんよかったな。あとは「ゴールマチ」もわりとよかった。それにしても、角田さん、直木賞をとってからどんどん単行本を出してますね。

ドラママチ

ドラママチ


 199。同じ美大の学生だったり、自分の勤め先を取材に来たケーブルテレビ局のディレクターだったり、スーパーで同じチーズを取り合ったりした、自分がちょっといいな、と思う人に対して、すぐに「私、この人と結婚するかも」と思ってしまう主人公。でも現実はそううまくはいかないようにできているらしく、現在彼氏なし。通っている英会話で同じクラスになったケンに対しても、そう思ってしまうけれどやっぱりトントン拍子にはいかない…。それでも、最後のほうの「みょうがのお吸い物みたいに温かい感じで」という表現に、なんだかふっと和らいだ。

この人と結婚するかも

この人と結婚するかも


 200。おお、200冊まで来たか。山本文緒の小説は、いちど読み出すとどんどんはまって次々読むくせに、読み始めるまでが億劫。なぜかというと、山本文緒の書く女性像は、私にとって同族嫌悪のような感情をもたらすからなのだ。体調が悪いときには読みたくないし、安易に手を出すと火傷をする感じ。エッセイはそういうこともなく、すらすら読めるのだけれど。

日々是作文

日々是作文