2008年読了リスト028-037

 うん、いいペース。

 028。堀井和子さんは5、6年前にいちばん読んでたなあ。出る新刊出る新刊ぜんぶ買い込んで、母と貸し借りしながら読んでいた。今はそれほどの熱意はないとはいえ、やっぱり好きな人ではある。堀井さんなりのルールって、一本すっと芯が通っていて気持ちがいい。

私が好きなルール

私が好きなルール

 029。ぱらぱらっとページをめくっていちばん最初に目に入ってきたのが那須のSHOZO CAFEだったので借りてきたのだけれど、それほどおもしろくもなかったなあ。東北地方のカフェはひとつも載ってないし。

カフェの扉を開ける100の理由

カフェの扉を開ける100の理由

 030。米原万里さんの著作に出てくることで名前を知った田丸公美子さん。イタリア語の通訳である田丸さん、文章もぱきぱきしていてすごくおもしろい。気っ風がよくて自分のやりたいことをやりたいようにやっていく人なんだろうなあと思う。しかもそれが嫌みにならないような。

パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記

パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記

 031。堀井さんの既刊はほぼ読んでいるけれど、未読のうちの1冊がこれなのだった。このあいだやっと購入して読んだ。読んでいると、テーブルクロスなんかたくさん欲しいなあと思うけれど、うちは夫があんまりテーブルクロスやランナーが好きじゃないので買えないのが残念。

おいしいテーブル (be文庫)

おいしいテーブル (be文庫)

 032。以前大崎さんの『聖の青春』を読んでから、この本はずっと読みたいと思っていたのだった。相変わらず将棋のルールはさっぱりわからないけれど、すごい勝負の世界だということはよくわかる。年齢と成績が自分を追いつめていくって、ストレスで押しつぶされていきそう。そのなかで精神をすり減らしながら将棋をするって、壮絶なことだと思う。

将棋の子

将棋の子

 033。吉原に関する本は、このあいだも『吉原手引草』を読んだ。今では想像もつかないけれど、その時代の吉原は本当に華やかだったんだろうなあと思う。愛憎渦巻く世界。人間の欲がむき出しになるところだからこそいざこざもあったろうし、通じ合ったらそれこそ幸せだったのだろう。うまい人だなあと思う。

花宵道中

花宵道中

 034。最初の「ロージン」の終わりの文章で、危うく泣きそうになってしまった。トリケラトプスもジャングルジムもすごくよかった。あと白檀の扇子! 私がもし夫より先に死んだら、そしてとりつくしまを決めなさいと言われたら何にしよう、と考えて、私はギターをとりつくしまにしよう、と思った。『長崎くんの指』より、だんぜんこっちがいい。

とりつくしま (単行本)

とりつくしま (単行本)

 035。両親と4姉妹の日常を描く長編。有子、寿子、素子、里々子の4姉妹はそれぞれ見るものも感じることもぜんぜん違うし、主人公のりり子(変換が面倒)は生まれなかった弟にぴょん吉と名前を付けて、日々のことを報告している。有子は結婚しているけれど焼けぼっくいになってしまうし、寿子は小説を書き始めるし、素子は自営の酒屋さんを手伝うようになる。そしてりり子はぴょん吉のことをすこしずつ思い出さなくなっていく。家族って、こうやって少しずつ変わっていくんだなあ。すごくよかった。

夜をゆく飛行機

夜をゆく飛行機

 036。イタリア人はイギリスで知り合った何人かしか知らないけど、みんなとにかく女性を口説く(私は対象外だったのはなぜでしょうかね)。それにまんまと落とされてしまった先輩もいたし、きっぱり断っていた友達もいたけれど、あの女性に対するマメさはすごいと思う。武勇伝の数々。

シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ

シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ

 037。意識も知能もそのままなのに、体は自分の思いどおりにならないとわかったら、私だったら絶望して自暴自棄になると断言できる。それでも、この本を書いたジャン=ドミニック・ボービーは違う。自分の思いどおりに動かせる左目のまばたきだけで、こんなに魅力的な文章を書いてしまうのだ。自分の今のありようをそのままに受け止め、それでも希望を失わない、その生きる姿勢に感動してしまう。自分の思いや想像力を押さえ込むことは、誰にもできないのだ。

潜水服は蝶の夢を見る

潜水服は蝶の夢を見る