百万円と苦虫女

 昨日、「百万円と苦虫女*1を観てきた。百万円を貯めては知らない土地に行き、そこで暮らしてまた百万円が貯まったらどこかに移動する、という生活をする鈴子。人と一定の距離を置きながら、当たらず触らず暮らしていく。ある地方都市で出会う中島と恋人になるのに、その中島はお金を無心するようになって。
 蒼井優がもともと好きなのだけれど、これはほんとうによかった。どこにいても居づらさを感じる鈴子の心情がきちんと出ていて、そうそうそう居心地の悪さってこういう感じだ、とリアルに思い出してしまうような演技。脇役の人たちもすごくよかったし、今回すごくいいなあと感じたのは森山未來。今までいいなと思ったことがあんまりなかったのだけれど、この映画はよかった。ラストシーンがあんな終わりかたで、きっぱりしている一方、そう終わるのは残念なような気もしたけれど、あれでよかったのかもしれないとも思う。鈴子と拓也がまっすぐ生きていければいいな。