P.S.アイラヴユー

 若くして亡くなってしまった夫から消印のない手紙が届く。家に引きこもってばかりいたホリーは、すこしずつ外の世界に目を向けるようになっていって。
 母がチケットを買ってくれて、「これを観てきて」と作品を指定された上でもらったのだった。最近は邦画ばっかり観ていたので、久しぶりの洋画。最初の方からもうだらだら泣いた。もし夫が先に死んじゃったらどうしよう、私が先に死んだら夫はどうするのかな、といろいろ考えながら観る。私が残されたほうだったら、きっと引きこもって外に出なくなるんだろうなあ、と思う。それか無理して元気なように振る舞って、あとでどうしようもなくなるかどっちか。
 人は忘れていく生き物だけれど、きっと忘れられないことだってある。そして忘れることは悪いことじゃない。楽しく暮らしていくことは、忘れることとイコールじゃない。そんなことを思った。