ボサノバデュオライブ

 中村善郎さんとヤヒロトモヒロさんのデュオライブに行った。行く前は、こてこてのブラジルっぽいサンバみたいな曲が多いのかなあと思っていたらボサノバがメインのライブ。コンサートやライブに行くといつも思うことだけれど、生の音を聞くと体のすみずみまで音楽が満ち足りる、という感じがする。そして、あくまでも個人的皮膚感覚で言うならば、クラシックは「沁みる」、ボサノバやジャズは「漂う」、そのほかの音楽は「浴びる」という感じ。中村さんの声は憂いがあって、そういえばボサノバのボーカリストはみんな憂いを含んだ声をしている、と思う。大好きなミルトン・ナシメントの「Travessia」も聴けた。ヤヒロさんのパーカッションは圧倒的。腕も足も2本ずつしかないとは思えないくらい、いろんな楽器からいろんな音がして、ステージにふたりしかいないなんて嘘のような厚みのある音がした。人がすくないのが残念だったけれど、乾いたスポンジに水が沁みるような感覚を味わった。いいライブだった。