読了

 はりつめて今にも糸が切れそうになった心にも、じんわりしっかり沁みる。ニヤニヤ、クスクス、げらげら、程度の違いはあれど、底辺に流れる笑い。こんなことを考えてるの? という軽い驚きと、やっぱりみんなそう思うよね! という強い共感。『女性百科宝鑑』は読んでみたいし、「うこん」と「ちんすこう」についてはわざわざ隣にいた夫にまで確かめてしまった。そしてときどき出てくる天使がいい。目のつけどころの勝利。

にょっ記

にょっ記

 今までの伊坂さんとは異なる作品。これは好き嫌いがわかれそうだなあと思ったら、ここ(注:読書メーター)の感想を見てもそうだった。私は、どちらかというとあまり好きではない感じ。ただ、伊坂さんの作品が好きだからこそ、いつもよりあまり好きではないという曖昧さだけれども。普段だったらあちこちからの視点を書くのが上手い伊坂さんなのに、一貫して第三者の目で書いているところは意欲作、新しい境地なのかもしれない。王求自身よりも、わき目もふらずに親ばかまっしぐらの両親の方が魅力的だった。次は長編を読みたいなあ。
あるキング

あるキング

 京都に住んでいる外国人と、ふとしたきっかけで知り合った全盲の女性との話。外国人ならではの視点だなあと思うところがちらほら。京都という、古い、ある意味もっとも昔の姿を残しているとも言える土地で感じる、外国人である自分に対する周りの違和感と、主人公自身が感じる閉塞感。そんな状態の中でひとすじの光だったのが京子との恋愛だったのだなあ。きれいな日本語で書かれていることに驚いた。
いちげんさん

いちげんさん

 オンライン上で書かれていたものと知って納得。人に歴史ありということ。『いま、会いにゆきます』の主人公の設定は自分を投影したものだったんだなあ。なるほど。
きみはぼくの

きみはぼくの

 再読。運動音痴ならぬ世界音痴という言葉がまずおもしろい。歌人だけあって、言葉の使い方が独特で惹かれる。多かれ少なかれ、みんなほむほむみたいな思いを抱えていて、でもそう見えないのはそれを周りに見せまいとして隠しているだけなんだろうなあと思う。それがにじみ出てしまっている人が、きっと「挙動不審」と言われてしまうのだろうな。きっと、私も相当な世界音痴。
世界音痴

世界音痴

 それと、これも読んだ。ケンジが史朗のことを「シロさん」と呼ぶのが好き。
きのう何食べた? 3 (モーニング KC)

きのう何食べた? 3 (モーニング KC)

 そして、これも購入。表紙のクッキーがすごくキュート。何か作りたいけれどケーキを作るほどの気力がない、という日にクッキーやビスケットはぴったりなので、気軽に作れそう。週末にでもどれか作ってみようっと。
まいにち食べたい“ごはんのような”クッキーとビスケットの本

まいにち食べたい“ごはんのような”クッキーとビスケットの本