ひみつシリーズ

 学研から出ていた学習マンガの「ひみつシリーズ」知ってるひとー はーい!
 子どものとき、うちの親はマンガを絶対に買ってくれなかった(だから「りぼん」とか「ちゃお」とかも読んだことがない)。買ってー買ってーと言っても、「だめ」の一言で終了。ただ唯一の例外が、「ひみつシリーズ」だったのだ。ただのマンガではなく、学習マンガというところがポイントだったのかもしれない。ずいぶんたくさん買ってもらって、30冊以上は持っていたと思う。本棚に赤いメタリックの背表紙がずらっと並ぶのを見て悦に入っていたのを思い出した。あれはきっともう処分されてしまったんだろう。もったいない。
 調べてみたら、表紙は新装版になって、でも中身はそのままで今でも売っているらしい。今度どこかの書店で見かけたら中を見てみよう。きっと、その場で小学校1年生くらいの私に戻っちゃうんだろうなあ。私が知っている犬の種類は『イヌのひみつ』で覚えたものだし、『ネコのひみつ』で、引っ越して遠く離れた元の家に自力で戻った猫がいるのを知って「すごーい!」と騒いだのを今でも覚えているし、『まんが百人一首』が基礎になって百人一首を覚えたし、今でも私の知識の中にがっちり根を下ろしている。読書体験のルーツのひとつだ。今、大人買いしたい。