読了

　ハードカバーで何回も読み返した本。私が買ってもらったものは妹が持って行ってしまったので、図書館本で再読。子どものときに読んだ印象より、ずっとずっと心に沁みる感じがした。とかく「時間がない」「暇がない」と言いがちだけれど、言うのをやめれば、時間の余裕ではなく、心や生活の余裕が持てるかもしれない。映画化されたものも当時観たけれど、もう1回観てみたいなあ。手元に置いて、いつでも読み返したい1冊。ぜひ、大人にこそ読んでもらいたい。

モモ (岩波少年文庫(127))

　同じ人間のはずなのに、とてもそうとは思えない。強い意志と、やり遂げるだけの力。単独登頂を果たしてからの下山、ビバークの様子は壮絶なもので、想像すらしがたい。私自身とはまったく無縁の世界だけれど、この臨場感はすばらしい。パニックにならないのが不思議なくらいの状況でも、至って冷静に状況分析をしているのが印象的だった。世界に名だたるクライマーたるゆえんなのだろうな。山野井さんご本人の著書も読んでみたい。

凍

　文房具は人それぞれに使いやすいものがあって、他人にとっていいものだからといって、必ずしも自分にとって使いやすいものではなかったりする。でも、ごく個人的なものだからこそ、何を使っているかが気になったりも、する。今はかわいい文房具も増えて、買う楽しみもあるけれど、ずっと前からある無骨な道具にも惹かれる。ちょっとだけ、著者の引き出しの中を見せてもらったような気分になる。私も、万年筆買いたいなあ。

さわの文具店