読了

 話といえば、ナビダード民主共和国の大統領マシアス・ギリが、その地位からすべり落ち、失脚するだけなのだが、それがとてつもなく壮大な物語になっている。途中はだらけてしまい、読み進めるのがなかなかつらいようなところもあったけれど、加速がついてからはぐんぐん読めた。まるで自分もナビダードの国民になって、マシアスの政治手腕をどこからか眺めているような気分になる。マシアスより、ジム・ジムソン、リー・ボーやイツコなど、脇役の方が魅力的だった。長編で、その手法もあってか外国文学のような印象を受ける。

マシアス・ギリの失脚

マシアス・ギリの失脚

 私より年上の人が多く、いずれはこういう着物を着たいなあという参考にはなるけれど、今の私が真似したいような人はあまりいなかったのが残念。
十人十色の着物がたり

十人十色の着物がたり

 これもまた再読。着物を着ている著者が、なんということもない日常を送っているだけと言われればそうなのだけれど、楽しそうでいいなあと思わずにはいられない。私が毎日の洋服のコーディネートを考えるのと同じように、きくちいまさんは着物のコーディネートを考えている、というだけのこと。着物だから何か特別なことをするというのではなく、あくまでも普段着の、肩の凝らない着物。自分の好きなように着物を着て楽しめばいいんだなあと思わされる。
キラキラ着物絵日記

キラキラ着物絵日記

 こういう着こなしが好きなのねー、と見る分にはいいけれど、私が同じものを着るかといったらちょっと違うかな、という印象。着るものは人それぞれだし、まったくかまわない。ただ、車のドアに袖を挟んでビリッと破けても気にしない、というのはちょっとなあ。普段着だからといって、そこまで気にしないというのもなんだか腑に落ちない。それだけ惜しげもなく着ているといいたいのだろうけれど、私の着物に対するスタンスとはだいぶ違うなあと思った。
着物日常

着物日常

 ボンネットトラックがどういういものなのかがわからないので、こんなものなのかなあと想像しながら読んだ。父と息子がひとつのボンネットトラックの鍵を中心に交差していく。過去と現在を行き来し、寡黙で多くを語らなかった父の過去に迫っていく琢磨。登場人物のキャラがきちっと立っているので、長編ではあるけれど混乱することもなく、ぐんぐん読める。池井戸さんの他の作品より銀行色は薄く、ミステリー仕立て。自分まで過去に行ってきたような気がした。
BT’63

BT’63

 『マシアス・ギリの失脚』を読み終えるのに6日間くらいかかってしまった。今は、谷川俊太郎さんの『ひとり暮らし』を読んでいるところ。ドラマが終わる前に『不毛地帯』を読みたいと思いつつ(ドラマは見てないけど)、まだいつ手をつけられるかさっぱりわからない。