読了

 昨年行った、息子さんの賢作さんと谷川さんの朗読会&コンサートを思い出しながら読了。あんなにひょうひょうとしているのに、しっかり物事を見つめていて、でも絶妙なユーモアセンスも持ち合わせていて、子どもみたいなところもある谷川さん。私生活でもいろいろあったのだろうし、仕事は常に第一線を走っているけれど、ぜんぜん力みが感じられないのがさすがだと思う。「かっぱらっぱかっぱらった」とか「ぼくもういかなきゃなんない」を思い出しながら読んだ。折に触れて読み返したい本の1冊になった。谷川さん、大好きです。

ひとり暮らし (新潮文庫)

ひとり暮らし (新潮文庫)

 重苦しくて、このまま読み続けたいような途中で読みやめたいような気分で読んだ。子どもができたからといって、イコール親になれるわけではないということ。親になるには覚悟が要って、その覚悟ができるまでにもがき苦しむ。現実を見つめるということは、ときに残酷なものだし、見たくないものも見せつけられる。そこで目をそらすかどうかがハードルなんだなあと思う。
幼な子われらに生まれ

幼な子われらに生まれ

 基本となる11枚の着物のチョイスが私好みで、見ていて楽しかった。水玉や縞の着物、私も欲しいなあ。いろんなところに着物で出かけたい。
毎日の着物―日々の着まわしコーディネート帖

毎日の着物―日々の着まわしコーディネート帖

 予想外のラストにびっくり。それまではわかるわかる、と思うところも多かったのに、最後の決断で一気にわからなくなってしまったというのが正直なところ。結婚、出産、と言われると私くらいの年代の人はどうしても焦りを感じるものだと思うけれど、この貴世の決断はすごい。自分だったらそこまできっぱりできずに流されるんだろうなあと思う。結婚に対する、男女の立ち位置の違いを感じる。
結婚小説

結婚小説

 この人の書く女性像は、どうしていつもこう魅力に欠けるのか。主人公の深沢岬があまりにも軽薄で自己中心的すぎて、どうにも感情移入できない。医学に知識がなくてもわかるように書いてあるのはありがたいけれど、話に深みが感じられないような。こんなことが実際にあったら怖いなあ。
転生 (小学館文庫)

転生 (小学館文庫)